西三数学サークル通信91号
09年西三数学サークル合宿研究会開かれる
3月14日(土)、15日(日)蒲郡荘において09年西三数学サークルの合宿研究会が
開かれた。今回は広田氏、吉田氏が退職ということもあって、14日(土)公開講座
(15:00〜17:00)、ミニ講演(19:00〜21:00)、ナイター(21:00〜)、15日(日)研究
発表(9:00〜12:00)、折り紙講座(13:00〜15:00)と日程がぎっしり詰まった内容
の研究会でした。参加者は県外から瀬山先生初め、10名を含め、32名でした。
公開講座14日(土)(15:00〜17:00)
「高校数学に期待すること…若い数学教師へのメッセージ」
講師:瀬山士郎氏(群馬大学)
教育学部数学科の学生に「数学は好きか」というアンケートを取ると
学年が上がって行くにつれて嫌いの割合が多くなっていく。また、今の
学生は問題から図形的な意図を読みとろうとしない。図形的想像力は
確実に落ちている。
数学は厳密でなければならないが、好奇心をかきたてる話題をプロセ
スにおいて厳密性を多少ゆるめても高校生や大学1,2年の学生に教え
ることができる教材を開発することが必要ではないか。
【好奇心をかきたてる教材の例】
バーゼルの問題、角の三等分問題、非ユークリッド幾何など
【具体的な問題】
【1】 1,2,3,・・・9の9個の数を全てと、+,−を使って
@ 最大値はいくつか。 A 最小値はいくつか。
B 合計が17となるの数を見つけよ。C 18となる数を
見つけよ。 D なぜ、偶数はできないか。
【2】 正の整数を引き続いた2個以上の数の和で表せ。
例 5=2+3 10=1+2+3+4
奇数(2n+1)は 2n+1=n+(n+1) だから表すことができる。
しかし、 の形の偶数は表すことができない。
【4】 次の形の素数は無限にあるか。
@ 4n+1 A 4n+3
【5】 の先頭の数が9となることがあるか。
ミニ講演14日(土)(19:00〜21:00)
「私の高校数学教育38年…西三数学サークルとともに」
広田祥治氏(刈谷高校)
「コロンブスキューブ」吉田勝美氏(豊田工業高校)
広田氏は西三数学サークル発足(1971年2月)からのメンバーです。
教師生活38年間の年表をもとに、サークルで数学を楽しんだこと、全
国とつながるサークル、受験競争との格闘、組合との関わりなど若い
参加者がまだ生まれていないときの資料などを見せながらサークル
の歩みを話していただきました。
吉田氏は2冊の本「美しい数学1,2」、「折り紙で学ぶ数学1,2」(星
の環会)の出版にいたる話やその反響、コロンブスキューブを生徒に
作らせたところ、思いがけない作品に出会ったことなどユーモアを交え
て話していただきました。
交流会14日(土)(21:00〜21:00)
授業や職場の様子、定年後の予定、講演の感想、教員免許更新講習
の話題など夜中の12時過ぎまで本音で語る楽しいひとときでした。