西三数学サークル通信134号
東京理科大が「数学体験館」 五感で理論を学習
東京理科大学は10月2日、神楽坂キャンパス(東京・新宿)に 数学を肌で学べる「数学体験館」を開設した。確率や円すい曲 線など幅広いテーマの理論を実体験できる約70種類の作品を 並べた。小学生から大人まで幅広い層に数学の魅力を発信す る。 近代科学資料館の地下1階に開設した。面積は約370平方 メートル。同大学で中等教育の調査や研究を手掛ける総合教 育機構理数教育研究センター(秋山仁センター長)が運営する。 新施設は五感を使い数学の理論を実体験できるのが特徴だ。 例えばビリヤード台では、楕円の性質を解説。ハンドルをがらが ら回す抽選器を使い、確率について学習するコーナーもある。 主に教職員向けに数学の教具を制作するスペースも用意して いる。 来場者に作品を解説するインストラクターを2〜3人配置する。 入館は無料。2日、関係者ら向けに説明した数学者の秋山セ ンター長は数学と日常生活が密接にかかわっていることを強 調。「若い人たちが見て触って実験し、数学のからくりや素晴 らしさを知ってもらいたい」と話した。 入場料 無料 ※ 入口でご記帳の上お入りください。 開館時間 12:00〜16:00(土曜 10:00〜16:00) 休館日 日曜・月曜・祝日・大学の休業日 (日本経済新聞 2013/10/2) |
暗号の大革命 RSA暗号・・・・・・竹中
相手へメッセージを暗号化して伝えたいのなら、それより先に、まず暗号化に使う
鍵を周囲の人たちには秘密にして、相手にだけ伝えておかなければならない。つまり、
ある文を秘密に伝えたいなら、まず先に鍵を秘密に伝えなければならない。しかし、
この問題は 2000 年もの長い暗号の歴史上、仕方のないこととされ、誰も解決するこ
とはできなかった。
しかし 1976 年、この問題を解決する、暗号の革命とも言える全く新しい暗号方式の
概念が、スタンフォード大学(アメリカ)の2名の研究員Diffie(デフィー)とHellman(ヘル
マン) という二人の研究者によって発表された。この方法では、A
と B という2つの鍵
を使用する。そして暗号化は、一方の鍵 ( A ) を使って行なうが、こうして暗号化した
暗号文は、なんとその鍵 ( A ) では復号することができず、もう一方の鍵
( B ) をもって
のみ復号することができ、逆にもう一方の鍵 ( B
) で暗号化した暗号文は、一方の鍵
( A ) でしか復号できないという概念である。
ただ、このような都合のよい性質を実現することは常識的に考えても大変難しいことだ
った。実際、この公開鍵暗号の概念に気が付いた本人たちでさえも、その方法をすぐ
に発見することはできず、実現はまだ当分先のことだと考えていた。
ところが、公開鍵暗号の概念が発表された翌年(1977年)、当時
MIT (マサチューセッ
ツ工科大学) に勤務していた Rivest (リベスト),
Shamir (シャミール), Adleman (アド
ルマン)という三人の研究者によって、早速、公開鍵暗号方式の概念を満たす初めての
実際の数値上の変換方法が発明された。この暗号方式は三人の名前の頭文字をとっ
て、 RSA暗号(アール・エス・エー暗号) と名付けらた。
RSA暗号の流れ