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西三数学サークル通信110号

数教協 第20回 全国高校研究集会 開かれる

3月24日(土)、25日(日)に愛知県蒲郡市の西浦温泉にあるホテルたつきにおいて、数学教育協議会
第20回 全国高校研究集会が開かれた。参加締め切りが2月29日と早かったため、参加人数を心配し
ましたが、北は北海道、南は沖縄の宮古島まで111名の参加者がありました。

岐阜の吉川さんのルポは→第20回全国高校研究集会ルポ(PDF版)

教具作りワークショップ

 「折り紙でつくるダイヤモンド結晶モデル」(斎藤聡子・西三数学サークル)、
「円柱の相貫体をつくろう」(野町直史・東京)、「北斎画に視る黄金比らせん」
(足立久美子・東京)、ハニカムシートで作る回転体(西三数学サークル)など
8コーナーに授業で役立つ教具を作りました。作ったものはすべて持ち帰り
でしたが、1時間ではとても全部回り切れない内容でした。

ポスター展

 「北海道高校サークル」、「杜稜サークル」、「西三数学サークル」の紹介、
「対数表を使って量を求める問題・生徒作品」(増島・東京)、「試験に出ない
数学通信」(大石・愛知)、「かんたんビックリ 2のx乗」(塩沢・東京)、「三角
関数公式の図解に挑戦しよう」(亀井・岐阜)、「数式で絵を描こう(のび太、
スネ夫)」(伊藤・愛知)、「数学資料館」(和田・長野)などのポスター掲示さ
れている中に岩手からは「三陸復興」のポスターも紹介されていました。

記念講演:「こう変わってほしい、新しい高校の数学」
 
講師:浪川 幸彦氏(椙山女学園大教授、名古屋大学名誉教授)

現状の問題点
1. 読解力や記述式問題に課題
2. 成績分布の分散が拡大
3. 学習意欲・自信の不足
4. 学習週間・生活習慣に問題
高校数学科の目標
 「数学的活動を通して、数学における基本的な
概念や原理・法則の体系的な理解を深め、事象
を数学的に考察し表現する能力を高め、創造力
を高め、創造性の基礎を培うとともに、数学のよ
さを認識
し、それらを積極的に活用して数学的
論拠に基づいて判断する
態度を育てる。」
【強調は浪川氏】
高校数学の内容はどう変わるか?
1. 生徒の主体的学習活動を重視し,そのため
に問題解決型の学習をそのプロセスを重視しつつ,
協同型学習方法を取り入れつつ行うこと。このため,
「数学I」「数学A」で課題学習が導入された。
2. 思考力・判断力・表現力の基礎を培う広い意味
での言語教科として数学が国語・英語(外国語)と並
んで位置付けられた。その結果高等学校でこれら3
教科には必修科目が設けられ,「数学I」が必修とな
った。
3. 市民の数学」との観点(数学リテラシー)が重視
された。その結果高等学校では「数学I」に統計的内
容が入り,また新科目「数学活用」が設けられた
(後者は1.とも関係する)。

シンポジウム「めざしたいこんな授業」

若い3人の教師、富田 卓之先生(福井・奥越明成高校)、吉川 徹先生(岐阜・不破高校)、
財津 彩子先生(東京私学非常勤講師)から悩みや苦労、数学の教師として喜びを語ってい
ただきました。司会は森原則男先生(立命館大学教職支援センター)でした。

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